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溶融亜鉛めっきの耐食性
2016年4月18日 管理番号:SS1-1604181 製品分類:スチール製グレーチング
第一機材株式会社
鉄をさびから守る方法として、溶融亜鉛めっきは防食性能に優れ、最も経済的であるとして広い分野で採用されるようになりました。
しかし、亜鉛めっきの耐食性は環境や使用条件によって大きく変化しますので、この点を十分に知っておくことが大切です。
亜鉛めっきの耐食性
(1) 保護作用
亜鉛めっきの表面には、図1のように緻密なさびの薄膜が生成し、この薄膜が強力な保護皮膜となって、腐食の進行をおさえます。
(2) 犠牲防食作用
亜鉛めっき皮膜になんらかの理由でキズが生じた場合、亜鉛はイオン化傾向の差によって溶解し、鉄の腐食を抑制するという犠性防食作用を
そなえています。これを塗装と比較すると図2のようになります。
大気中での耐食性
溶融亜鉛めっきの環境別耐用年数を図3に示します。
なお、大気汚染防止が進んだ最近の重工業地帯での耐用年数は、都市地帯側へ近づいていると考えられます。
橋梁などの大型鋼構造物は、めっき付着量が多いので、その耐用年数は数10年以上であると期待されます。
水中での耐食性 1)2)
水中での耐食性には、図4(a) (b)に示すように、pHと水温が大きな影響を与えます。
亜鉛めっきが有効な耐食性を示すのはpH6~12、水温が50℃以下の範囲です。
含有塩類も多少の影響を及ぼし、軟水中よりもカルシウム塩類を含有する硬水中の方が腐食の進行は緩やかです。
過剰の炭酸ガスの溶解は腐食速度を増加します。
このように亜鉛めっきの水中での耐食性は、水質、水温など種々の要因に影響されるため、一概に耐用年数を示すことはできません。
種々の要因を勘案したおおよその腐食速度は、30~100g/m2/年です。
海水中での耐食性 2)
海水中での腐食速度は、初期において100~200g/m2/年程度と思われます。
しかし、海水に1年以上浸漬した後は、腐食生成物のために腐食速度は半減します。
ただ干満帯やしぶきのかかるスプラッシュゾーンでは、1,000g/m2/年程度となることもあるので、
このような場所では、めっき面上にエポキシコーティングなどの処理を施す必要があります。
土壌中での耐食性 1)
土壌中で腐食を支配する主な要因は、通気性、含水量、溶存物質の種類と量、電気伝導度、pHなどです。
また、埋設後の埋め戻し状況によっても影響を受け、土壌中の腐食速度は広い範囲でばらつきます。
最純亜鉛を各種土壌中に埋設して、調査した結果、腐食速度は粘土、砂利、堆肥などの土質によって大きな差があり、
30~210g/m2/年とばらついています。
参考文献 1)日本鉛亜鉛需要研究会:亜鉛ハンドブック 2)日本鉛亜鉛需要研究会:亜鉛とその耐食性
出展 NO.5 溶融亜鉛めっきの耐食性 (1981.9) 編集:亜鉛めっき鋼構造物研究会